電話に出た綺樹は予想よりも嫌な様子は無かった。
「来るって決めちゃったみたいだ。
そういう時は何言っても駄目なのは、おまえもわかってるだろ。
別のところに泊まろうが来るものは来る。
まあ、おまえと花蓮も誘うって言ってし」
「いま、誘われました」
「ああ、そう。
どうするの?
なんというか、別にフォローするつもりは無いが、涼なりに花蓮を気に入って、なんかしてあげたいみたいだよ」
「わかってます」
「じゃあ、決まりだ。
おまえが一緒なら、涼も早々無謀なことを仕組んでこないだろうから、安心だ」
「あなた、狙い、それでしょう」
思わず声が大きくなると、綺樹はくつくつと笑っていた。
成介は携帯を切って席に戻ると執務室を見る。
真剣な顔で仕事をしている。
しばらくの間は、もの凄く効率よく仕事が進むだろう。
秘書の仕事も楽になるというものだ。
そして二人の関係がどういう状態になりつつあるのか、見定めるには丁度いい。

