The side of Paradise ”最後に奪う者”


だけど。

落とせないんじゃない。

涼は口端で少し笑った。

同じ穴に引きずり込めないんだ。

瞬はその笑みを見たが、何も言わなかった。

やがて届いた綺樹からのメールは件名はブランクで、内容は日にちとホテル名だけだ。

文句を言いながら削除していた姿が目に浮かび、口元が緩む。

社に戻ると、早速に自分の予定表を開けた。

綺樹が日本に来てから、突発的な彼女との予定を最優先するので、あちこちに歪が出てきていた。

詰められる日は出来るだけ詰め、残業が出来る日はしているのだが。