それだけ過去に受けた傷は大きくて、それぞれにいる立場の縛りは大きいのだ。 そうだな。 涼は胸に澱が沈んでいくのがわかる。 綺樹はさやかに恩義がありすぎて、自分は西園寺の社員や成介、花蓮がいる。 血縁なんてずっといなかった自分に唯一肉親というような感覚を与えてくれている。 花蓮はよく懐いてくれて。 涼は静かに立ち上がった。 今の自分たちは、どの方向にも動きがとれないのはわかっていた。 この関係の均衡がベストなのだ。