それは生まれることが出来なかった子どものことか。 「なんだか遺言みたいで最悪だ」 「話の流れで言ったらそうだな。 元妻で、友人の遺言だ。 この位は記憶に留めておいてくれよ」 茶目っ気を含ませたウィンクを送る。 「やめてくれ」 もの凄く不機嫌な声だった。 綺樹は涼の横顔が固くなっているのを見て、顔を少し俯かせ自分のこめかみを指でなぜた。 「そうだな。 確かに重いな。 忘れてくれ」 自嘲した。 全くなんだってこんなことを言ってしまったのか。