「だから、早々出来ないような面白い仕事をさせてくれ、億の給料を出してくれる。 ありがたい話さ」 「あなた、それ、洗脳されてるかもよ」 涼の憮然とした言葉に綺樹は笑った。 涼と二回目の結婚に至る時、さやかと交わした会話を思い出す。 あれは洗脳だったか。 「かもな。 でもさやかとは従姪だし、そういった意味で近くに居ると安心だ。 だからいいんだよ。 それに、もう恩義がありすぎて離れられないよ」 「なんですか、それ」 相変わらず、涼は面白くない声を出していた。 綺樹はしばし沈黙していた。