「その頃の記憶の穴は無いんだ。 ということは、あなたとの関係が希薄だったということだ。 なのに、なぜ知っているの? というか、その時あなたどこにいて、何してた?」 誰といたんだ? 涼は綺樹を腕の中に引き込んだ。 綺樹が息を殺している。 「そのくらい、教えてくれてもいいと思うんだけど」 腕を少し緩めると顔を覗き込んだ。 綺樹は視線を涼の胸のところに止めたままだった。 「売り言葉に買い言葉だった。 知らなかった」