「この成金趣味の車はどうにかならないか?
東洋人が乗っていると、品が良く見えない」
涼は表情を止めて、しばらく綺樹の顔を見つめてから、ため息を吐いた。
「本当に嫌われるから、僕以外にそれは言わない方がいい。
さて、何か食べたいものはある?」
いいやと短く答える綺樹の横顔を見つめた。
白い蛍光灯の灯りで、退廃的な雰囲気が漂っている。
それなのにビジネス用の化粧がされていて、生真面目な印象だ。
「我慢の限界かな」
きょとんとした目が向けられた。
「ホテルに変更」
「なっ。
仕事中だろ」
小さく叫ぶ。

