The side of Paradise ”最後に奪う者”


「そちらのご意見は?」


綺樹は顔を上げて西園寺側を見たが、実際は誰も見ていない。


「細部の変更は結構ですが、委託料の値上がりだけはいかがなものでしょう。
 暴利だと思いますが」


涼は無遠慮に言葉をぶつけた。

綺樹は顔色一つ変えなかった。


「そうですか。
 その値の変更を検討することは難しいと思います」

「この一年、売り上げ方法、額に問題は無かったと思います。
 今後はダバリードの日本法人が事業を行う、ということを伺いました。
これではこちらに日本での販売開始に面倒な先鞭をつけさせ、ノウハウを盗んでいくようなものですね」

「日本で面倒な先鞭をつけさせ、ノウハウを駆使させることになるので、前回の委託料は低かったのです。
 今回は通常値に戻しているだけです。
 ダバリードはその国の経済レベルから委託料を算出し、世界のどこでも同じ水準の委託料になるようにし て設定しています。
 この件だけが特別高いわけではありません」