予想がついていたから、あえて事前に聞かなかった。 ドアが開く。 一瞬だけ視線が合った。 「遅くなりました」 そっけなく言って席に着く。 ビジネスになると雰囲気が変わる。 相変わらず叩きつけられそうな空気だ。 「事前に文書はお送りしているとの事。 手短にいきましょう」 契約書を手に取った。 無表情に担当者の報告を聞いている。 終わると沈黙になった。 時折、綺樹が書類をめくる音が響く。