The side of Paradise ”最後に奪う者”


しきりに暑いと言っているが、それは体調が悪いんじゃないか。

グレースが以前電話で言っていた言葉を思い出した。

遊学はさやかの最終手段。

冗談じゃないぞ。

綺樹の背中をゆっくりとさする。


「ごめん」


呟き声と共に綺樹は身を起そうとした。


「ありがとう。
 ちょっと貧血が起きてしまって。
 もう大丈夫。
 救護室も行かなくてすみそう」


微笑を見せた。

失態だ。

もの凄く最悪だ。

綺樹は涼の心配そうな視線に落ち込んだ。