The side of Paradise ”最後に奪う者”


「どうした?」

「いや。
 な・・」


なんでもないと言いたかった、

ぎゅっと目を閉じた。

空気に押しつぶされる。

地面にめりこみそうだ。


「人混みに酔ったかな。
 浴衣が締め付けられすぎているのかもしれないな」

「いや。
 着慣れている人だから、着せるのも上手くて、そういう感じは無いんだ」


涼は座れるところが無いか見回した。

この人出で座れそうな所は、どこも埋まっている。

あえぐような呼吸をしだした。

脂汗が浮いている。

涼は綺樹の体に腕を回して支えると、体重が一気に預けられた。