The side of Paradise ”最後に奪う者”


本来は結構、くるくると表情が変わるんだな。

今の涼にとっては発見だった。

霞を食べているようだと弾んだ声をだし、綿菓子を続いて二つも食べていた。

彼女にとっては物語の世界が広がっているらしい。


「ああ、面白かった」


金魚すくいに失敗したにも関わらず、そう言って笑顔を見せた。


「したことが無いというのも驚きだけど。
 あそこまで不器用だというのも驚きだ」

「えぇ?
 そんなの今更、おまえに言われたって腹は立たないぞ。
 何度言われてきたことか」


綺樹は屈託無く言うと次の屋台を覗き込んでいる。

ふっと顔が曇った。

拳を胸に押し当てている。