戻ってきたウェイターが差し出した明細にサインをして返す。
「はい、終了。
行こうか」
涼はにっこりと笑って立ち上がった。
綺樹はなんともいえない顔をしていた。
寂しいといえるような沈んだ表情だった。
「そんな顔をさせるほど、ひどいことを言ってないと思うけどな」
涼は困ったように見下ろす。
「ああ、悪い」
綺樹は口元で微笑を作って立ち上がった。
「コーヒー、ごちそうさま。
さ、行くか」
先立って歩き出し、ホテルの自動ドアを出て、もわっとした空気に包まれたのに、眉を曇らせた。
今日は体が重くならないといいんだけど。

