The side of Paradise ”最後に奪う者”


  *

小料理屋の時に、夏祭りに行く約束をしていた。

また遅れても待ちやすいようにと、通りを挟んだホテルのカフェに待ち合わせをしておいた。

遅刻ではなかったが、ぎりぎりで飛び込む。

一瞬どこにいるのかわからなかった。

涼と目が合うと、ちょっとむっとした顔になる。


「なんだよ」

「いや、浴衣で来るとは思わなかったので。
 驚いた」


正直に答えた。

綺樹は斜めに顔を俯かせた。


「私だって嫌だったんだ。
 だけど北野の家に居て、夏祭りに行くといったら、当然のようにこういうかっこになってしまったんだ」


凄く落ちつかない表情をしている。