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小料理屋の時に、夏祭りに行く約束をしていた。
また遅れても待ちやすいようにと、通りを挟んだホテルのカフェに待ち合わせをしておいた。
遅刻ではなかったが、ぎりぎりで飛び込む。
一瞬どこにいるのかわからなかった。
涼と目が合うと、ちょっとむっとした顔になる。
「なんだよ」
「いや、浴衣で来るとは思わなかったので。
驚いた」
正直に答えた。
綺樹は斜めに顔を俯かせた。
「私だって嫌だったんだ。
だけど北野の家に居て、夏祭りに行くといったら、当然のようにこういうかっこになってしまったんだ」
凄く落ちつかない表情をしている。

