「難しいな。 まだまだ結婚する気は無い」 「何言ってるんですか」 「諦めろ。 だから」 涼は鋭くみつめた。 「それまでに再発して死んでしまったら、覚悟を決めろよ」 成介は静かに見つめ返した。 「あなたが結婚してくれれば心安らかになるのは一人だけじゃないと思いますけどね。 思い出の中で静かに生きていく方が幸せな場合もあります。 力量が無いんですから、もう手を出すな、です」 涼の瞳が細まった。 ここまで辛辣なのは、相当腹に据えかねているんだろう。 涼は次の瞬間、思わず笑ってしまった。