The side of Paradise ”最後に奪う者”


肺がぐっと締め付けられ、胃が冷たくなった。

こちらから見える綺樹の背中が震えている。

それを成介があやすように叩いていた。

珍しいぐらいに成介は不機嫌な顔をしていた。

段々と震えが落ち着いてきて、綺樹が身を離した。

やや俯いて手のひらで頬の涙のあとを拭っている。

くちびるがなんて動くのまでわかった。

そして顔を上げて微笑した。

もう、大丈夫、ごめんな。

成介は何も答えずに車を発進させて駐車場を出て行った。

涼はゆっくりと自分の車に行くと、運転席に座った。