置く場所に迷う。 腕時計や財布がまとめて置かれているのに気が付いて、重石にしようと腕時計を手に取った。 驚いた、まだ使っているのか。 自分があげたものだった。 涼が高校の時に一時、一緒に住んだ。 さやかとライナにけし掛けられたからだ。 だけど涼の心の底にある一途さと細やかな世話に対して、自分の方の動機に後味が悪くなった。 打ち消すためにあげた物。 金で片をつけたのだ。 だけどあの時、もう自分は涼に落ちていたのだろう。 そしてそこからここまでの間違いの始まりだ。