カフェインを入れなくては。 少し気分を持ち上げなくては。 「コーヒーが飲みたいな。 メニューにある?」 涼は野生の獣のような目をしてからカウンターに合図を送った。 「場所を変えよう」 瞬たちを無視して店を出ようとしたが、通りかかりに瞬がのけぞらせて振り仰いだ。 「またな」 「ああ」 「そういえば」 涼は嫌な予感がして眉をひそませた。 「宮家から縁談が来てるんだって?」 余計なことを。 よっぽど綺樹を気に入ったらしい。 水を差そうとしている。 後ろを歩いていた綺樹が足を止めた。