The side of Paradise ”最後に奪う者”


「そんな暇無いだろ。
 ジェットで十分横になって来たよ」


フェリックスは荷物のように小脇に綺樹を抱えた。


「やめろよ」


抗いが、力が無くてなっていない。


「何するんだ」


ソファーに放り投げる。


「絶対安静だ」


戸棚の戸を開いて常備している薬の棚を探る。


「全く何を考えているんだ」


戻ってくるフェリックスの手にしているのを見て、綺樹は身を起こしてソファーの上で後ずさる。