「出てきたよ。 今日からこっちで仕事だろ」 ばかか。 フェリックスは奥歯をかみしめてから立ち上がった。 「出血は?」 机を回って綺樹の方へ歩き出す。 綺樹は一瞬口をつぐんだ。 「まだ」 「量は?」 綺樹が機嫌悪そうに眉をひそめた。 「そんなの何を基準に答えるんだ?」 なんだこの状態は。 近づいて、立っているのも不思議な様子に怒りが爆発するかと思った。 「横になれ」 鋭い命令口調に綺樹は不機嫌な顔になった。