そうなのかもしれないな。 綺樹は少し首を傾げて思った。 昼夜無くオーバーワークの中、アルコールと抗欝剤と睡眠薬のトリプル作用で、脳の中で勝手に作り上げたのかもしれない。 そう思うと楽だった。 あの後。 手術の手配は直ぐにした。 早ければ早いほうがよかったから。 アレンジャーを雇い、億の金を積み、権力を行使して、名医を強行に引っ張った。 涼は全く手術に乗り気じゃなかったから、早急に進めるのは余り気分のいいものではなかったようだ。