「全く、外見に騙されてしまったら困る。 口説いた後にすごく修正が難しいじゃないか」 そっちの心配か。 「大丈夫。 騙されませんから」 「おまえじゃない」 「じゃあ、誰?」 綺樹はにやりと笑った。 全くこの女は。 「言っておくけど、今夜は食事だけで帰すつもりは無いからね」 友人だとあからさまに言える。 日本にいる間は他の男と付き合わせない、という言葉は飲み込んだ。 ボストンでの、彼女の過ごし方の予想は、強制的に頭から追い出した。 嫉妬に飲み込まれて、凶暴になる。