The side of Paradise ”最後に奪う者”


普通に睡眠をとろうとすると、寝付くまでの間に色々と思考が巡る上に、悪夢を見るからとは言わなかった。

当の原因が目の前だ。


「それで」


涼はちょっと言葉を区切った。


「寿命が縮んだら、その方がもったいないんじゃない?」


なんだか挑戦的な言い方だった。

綺樹はおかしくて、笑ってしまった。


「40、せいぜい50歳半ばまで生きれば充分じゃない?
 それだってまだ倍もあるぞ。
 長い長い」


グラスに口をつけて空にした。

今日はこの1杯でおしまいだ。

まだ勉強が残っている。

綺樹はペリエを注文した。