いや、別にそれが目当てじゃないし、寝れないからといって恨みがましいことは無いんだが。 「涼」 視線を上げると、あの瞳とひたりと合った。 「決まった?」 「ああ?」 「料理」 「ああ、何がお勧めなんですか?」 「じゃあ、勝手に頼む」 綺樹はてきぱきと頼んだ。 「何か、考え事でも?」 また意識がそれる前に涼は瞳を捕まえた。 綺樹が少しの間、涼の顔を見つめた。 でも本当に見ているわけではない。