* 今回は成介にまた行くのか?とは言わなかった。 次の月は最終週に週末を使ってやはり最低日数でNY行きが入っていた。 綺樹の携帯に電話をかけた。 「最悪の日に来るな」 盛大にため息をつかれた。 「次の日に一番大変な試験だ。 時間取れない」 綺樹は髪を掻き揚げた。 わからないとはいえ、成介は嫌なときに予定を入れたものだ。 「食事だけでもどうですか?」 「普通、食事だけなんだ」 思わずやりかえす。 「すいません」 「別にいいけど」 その方向に最初に誘ったのは自分だ。