The side of Paradise ”最後に奪う者”


「血筋かな。
 あまり精度は高くないけど。
 何とかなるさ」

「全く、二人して記憶喪失なんてしゃれになりません」


本当に疲れる二人だ。


「それは究極の選択だって」

「冷酷非道な私は絶対変更しませんから安心してください」

「そんなこと言ってないぞ。
 沈着冷静と言ったんだ」

「はいはい」


綺樹が声を出して笑っている。


「じゃあな。
 また来月の予定が決まったら教えてくれ」

「わかりました」


電話が切れて、急ぎ足で部屋に戻る。