The side of Paradise ”最後に奪う者”


「この先、また弱音を吐きそうで。
 だからほだされないで欲しいんだ。
 自分の事でなんだけど。
 止めるとか、今電話でお願いしていることも無しだとか、言いそうで。
 まだ正気を保っているうちに念を押しとこうと思って。
 絶対に変更なしだ」


成介はなんだか止めたくなってきた。

目を閉じる。


「で。
あなた、持つんですか?」

「大丈夫。
 駄目なところまでいったら、自分で催眠術でもかけるさ」

「は?」


また突拍子も無い話にふざけているのかと思った。