The side of Paradise ”最後に奪う者”


   *

でもやっぱりその後、再び綺樹はごめんと言って、電話を切った。

成介はすぐに折り返したが、携帯の電源は落ちていた。

もの凄く後味が悪い。

彼女だから、大丈夫かと思っていた。

頭の中では割り切れているのに、感情がついていかないらしい。

考えてみればまだ20代半ばにもなっていないのだ。

今年、秘書室に配属になった新人とそう年は違わない。

それを思うと、自分はなんて酷な行動を求めているのだろうか。

愛しているならば、他の女と結婚できるように、自分を思い切らせる行動をとれと。


「鬼。
 か」


呟いた。