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でもやっぱりその後、再び綺樹はごめんと言って、電話を切った。
成介はすぐに折り返したが、携帯の電源は落ちていた。
もの凄く後味が悪い。
彼女だから、大丈夫かと思っていた。
頭の中では割り切れているのに、感情がついていかないらしい。
考えてみればまだ20代半ばにもなっていないのだ。
今年、秘書室に配属になった新人とそう年は違わない。
それを思うと、自分はなんて酷な行動を求めているのだろうか。
愛しているならば、他の女と結婚できるように、自分を思い切らせる行動をとれと。
「鬼。
か」
呟いた。
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