* 涼の体が離れたとき、綺樹は直ぐに背を向けた。 涼が後ろから抱きしめる。 綺樹は涼の腕の中で、しばらく壁紙を凝視していた。 少し身動きをした。 「泊まるなよ」 邪険に言う。 「そもそも自宅では男と寝ない主義なんだ。 今回はリベンジだったからだけで」 「いいリベンジだったかな」 涼が笑った息が髪を揺らす。 ああ、嫌だ。 そうとしかとられないように抱かれたけれど、鳩尾の辺りが冷たくなり、肺が潰れるような痛みを感じる。 綺樹はぎゅっと目を閉じた。