「大丈夫」


いい加減な答えだ。

涼が手を差し出すと、不審な顔をした。

わからないらしいので涼は綺樹の手首をとると、手の平を見た。

まだまだ痛々しかった。

一瞬で手が引かれて、見えなくなる。

まだ傷あてを張っておいたほうが良さそうなのに、むき出しだった。

多分、面倒なのだろう。

ちゃんと消毒しているのか。

言おうかと思ったが、彼女の様子を見て止めた。


「さ、行こうか」


一応観光ルートのようなのがあり、綺樹はそれに沿うことにした。