「涼」
呼びかけると顔を向け、ふっと笑った。
綺樹も微笑した。
この男を愛さなくて済むような日は来るのだろうか。
答えはわかっていた。
でも静かに想う日々に変わるときは、きっとくるはず。
「見たいところは?」
会った途端の発言に涼は苦笑した。
「元気でした?」
なので、涼はそう言うと、綺樹が胡散臭そうにちらりと見上げた。
「お蔭様で」
「火傷の跡はどうですか?」
綺樹がため息をつきそうなのを見た。
こういうやりとりはうんざりらしい。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…