「ええ、ミズウルゴイティにはいつもこんな感じです」 涼が一瞬で無表情になるのを見た。 しかもその前に走った表情も見逃さなかった。 嫉妬と痛みと疑心だ。 「嘘に決まってるでしょう。 下らないことを言うからです。 仕事をしてください」 全く。 成介はふんと鼻先で笑う。 こちらをからかうなんて10年早い。 成介は忌々しくってしょうがなかった。