* 朝一で日本へ帰って行った涼が出勤したらしい。 「どう?」 成介の電話に開口一番、綺樹は聞いた。 少しかすれている声だった。 「大変でしたか? お疲れの声ですね」 綺樹はソファーにだらしなく横になっていた。 「飲みすぎたんだ。 シャンパンは合わないって知っているのに、がぶ飲みしてしまって」 「あなたにも弱い酒があるんですか」 成介の愉快そうな口調に綺樹は眉根を寄せた。