The side of Paradise ”最後に奪う者”


「いや、行かないな。
 “医務室に行って来るよ。
 じゃあ、こっちはパーティーに戻ってるよ“だ」


綺樹は背を向けると軽く手を上げて挨拶をして行ってしまった。

戻っていれば、あなたは側に来てくれるのだろうか。

涼はその白い背中をみつめていた。

抱き寄せて、そっとくちびるを押し当て、滑らせたい背中。

とりあえず友人関係でもいい。

また彼女との関係を始められたのだったら何でも良かった。

友人だろうと元夫だろうと下僕だろうと。