The side of Paradise ”最後に奪う者”


涼は視線を下げた。

きれいに一線を引かれた。

これは強硬に拒否されているよりも、痛烈だ。


「これでやっとおまえは過去に捕らわれないで自由に生きていける。
 自由に。
 本当に、好きな人が出来る。
 私はおまえと友人関係に戻れる。
 一石二鳥だな」


にやっと笑った。


「医務室に行って来るよ」


綺樹がもう一度優しく涼の手を押しのけた。


「一緒に行くよ。
 友人でもそういう時はついていく」


綺樹は首を少し傾げて考えた。