The side of Paradise ”最後に奪う者”


「指!」


鋭く言われて指を開く。

煙草が落ちてアルコールの中で白い灰を舞い上げた。

掌は既に水泡が出来、一部分は破け赤くただれている。

これ、肉が焼けてないか。

涼は凝視した。


「聞いてるか?」


綺樹が少々むっとした顔になっている。


「聞いてる。
 医務室は?」


綺樹は手を取り戻そうとした。