The side of Paradise ”最後に奪う者”


  *

ダバリードの創立記念日を祝う式典への出席が、いつの間にか予定に組まれていた。

涼の体が固まった。


「僕じゃなくていいだろう」


眉を不機嫌そうにしかめて、招待状を投げ出す。


「まあ、そうですね。
 欠席にしておきますか」


涼は成介を斜めに見上げた。


「他の者に行かせろよ」

「先方に失礼の無い程度の役職者は、予定が空いていないんです」

「代わりに僕が予定をこなす」


成介はため息をついた。