「決着をつけていただいたようで、ありがとうございました」
やっぱり、その話か。
「いいや。
確かにおまえの言うとおり、長引くのは良くないしね。
私を忘れると言っていたぞ。
元々、忘れているのにナンセンスな言葉だと思わないか?」
くすくすと笑っているのに成介は応える気力が無かった。
「涼のことだ、さっぱりとしているんじゃないか?
あいつ、思い切りのいい所があるし。
よかったな」
言っている綺樹の方のさっぱりとした様子に、成介はため息をついた。
「参考のために、どういう話し合いの仕方で決着がついたのか教えていただけませんか?」
綺樹は固まった。
少し開いているドアの向こうのベットが目に飛び込んできた。
「なぜ?」