やがてアルコールが回ったような浮遊感が漂い始めた。 綺樹はチェストに寄りかかり、ぼんやりとした微笑を浮かべた。 以前、ペントハウスで涼に聞いた事がある。 天国と地獄、どちらを選ぶか。 あの時、涼は地獄を選んだ。 でも私は天国へ導く。 だから残酷に切り刻む。 今は自分だけしか覚えていないこと。 涼。 これでやっとおまえは自由だ。