「諦めが肝心といいます」 成介がまじめ腐った顔でいった。 涼が書類から顔を上げた。 「そろそろけじめをつけてはどうですか? あなたの勤務態度はどうですかね。 女の事で頭が一杯で、勤務中も上の空です。 彼女と再会してから、あなたが起した失敗の数々をお教えしましょうか?」 涼は苦い顔になる。 「わかってる」 成介はどうかねという顔をした。 「むりやり予定を空けます。 結論をつけてきてください」 涼は長い間成介を見つめていた。 「わかった」