さやかの頬が動いた。 「なんですって?」 綺樹は可笑しそうな顔を向けた。 「さやかでも知らないの? 涼と再婚するときの条件だったんだ。 今回、ダメになったら、すぐさま当主としての結婚をし、子どもを産むこと。 相手は、フェリックスがその時の状況によって選ぶらしいよ。 来月ぐらいには決まるんじゃないの?」 長く息を吐いた。 「この頃、行きずりと寝ていなかったから、その気分に持って行くのは大変だ。 一体誰に足を開けって言うのかな」 くつくつと自虐的に笑っている。