「この年で置き去りにされると思わなかったよ」
「ホテルをご用意しますが」
「NY行きの飛行機を手配して。
最終便でもいいから」
「せっかくですから、ゆっくりされてはいかがです?
東京ディズニーランドも色々とアトラクションが増えましたよ」
小さい子供のいる成介のわざと言った台詞に、綺樹はくすくすと笑った。
「今度にとっておくよ。
休みと言ったって、課題は山積みなんだ」
綺樹は立ち上がった。
「人の秘書を使ってもなんだ、ネット貸してよ。
自分でチケットをとるから」
部屋を出て行こうとしたのに、成介は内線をとった。
部下に命じる。
この部屋から出すわけには行かない。

