The side of Paradise ”最後に奪う者”


成介から呼び出しがかかっている。

涼は立ち上がった。

早足で廊下を駆け抜けると、入り口で成介が待っていた。


「彼女は?」

「寝てる」


成介の表情が止まった。


「あなた何してたんですか」

「何もしてない」


出来なかった根性無しを指摘されたようで、涼はむっとした顔になった。


「起さなかったんですか」

「疲れているみたいだったから可哀想だろ」


涼は顔を背けた。