ガラス窓越しに、窓から入ってくる朝日で髪の毛が輝いているのが見えた。
ノックして入ると、書類の山をダンボールに入れている手を止めた。
少し驚いている顔をしている。
もっと色々と感情が出るのを見たいなと思った。
でもタイムリミットだ。
「昨日はありがとうございました。
これから帰国するので一言ご挨拶に」
言いながら涼の眉がぴくりと引き攣った。
首のうぶ毛が逆立つのがわかる。
なぜわかったのかと問われてもわからない。
この女。
昨晩、男と寝た。
自分と過ごしたあの後に寝たのだ。
血が逆流する。
それか内蔵が潰れそうだ。

