“私のことを一切秘密にしておけるなら、医者を用意するよ。 大丈夫。“ 彼女は挑むように笑っていた。 “私の存在を、涼の前から一切消す手筈は私がする。 おまえは口をつぐんでいればいい。“ 思い出さないのは無理だと言ってやったのに。 “思い出すなら勝手に思い出せばいいけど、その手助けは一切しない。 一生思い出さないなら、それでいいんじゃないか? 涼は私から解放されたいそうだ。“ 瞳が爛々と輝いていた。 “ならば、そうしてやろうじゃないか?”