「お時間です」

「ん」


涼が上着をはおると部屋を出て行くのを見送った。

全く。

嫌な約束をしてしまった。

成介は苦い思いだった。

綺樹との条件だった。


“西園寺の跡取りを失いたくないだろう?”


そう彼女は言った。