「………ふぅ……」

お風呂からあがった私は、パジャマに着替えると、濡れている髪の毛を無視してベットの端にゆっくり座った。

「………………」

ふと小さくドアをノックする音が聞こえ、私の身体はビクッと震える。

だ、誰だろう……?

「ど、どうぞ?」

私が声をかけると、ドアがゆっくり開く。開いた先には無言で立っている愛希君。

「……………」

「愛希君?どうしました?」

「王神の協力してあげるよ」

私が声をかけると、愛希君はニヤッと口角をあげながら私に近寄る。

「……………へ?」

愛希君の言葉に私は、耳を疑い、聞き返してしまう。

…………なんで、協力してくれるんですかね……?

「……裕から聞いたよ。…王神が危険な奴じゃないって事を証明出来れば良いんでしょ?」

「えっと…、はい………」

愛希君の不適な笑みに、私は小さく頷いた。

「………だから、協力する」

「……い、…良いんですか?」

愛希君、どうしたんでしょう…。愛希君なら、面倒くさい、と言って見てるだけなのに…。

私は、愛希君に疑問を持ちながらも、私は微笑んだ。

「うん……。でも、僕のお願いも聞いてよ」

「………なんですか?……わっ…?!」

愛希君に、肩を押されて私はそのままベットに倒れた。

ビックリして目を見開く私を見下すように見る愛希君は、私の濡れている髪の毛を触る。

「……甘い香りがする…」

私の濡れている髪の毛を少し舐めて、愛希君はニヤッと笑った。

「協力する代わりに…、分かるよね?」

「え………?」

「……言わないと分からないの?」

愛希君は、自分で言うのが面倒くさいのか、不機嫌そうに顔をしかめる。

「………そんなことは……ないです…」

さすがに、バカな私も分かってる。だって、私がここにいる理由は、一つしかなくて。

「なら、良いでしょ…?」

分かってはいても、やっぱりまだ慣れなくて。あの痛みと快楽がくることに、私は恐怖を少し持っている…。

そんな私の気持ちも知らず愛希君は、私のパジャマのズボンを太ももまでまくり上げると、優しくキスをしてから、牙を思い切り突き刺した。

「…ぅあっ───」

ドクドクと血が無くなっていくのを感じ、気を失いかける感覚に陥り…。

そして、気持ちいい感覚が全身を駆け巡る。

「────ふっ。……良い表情してるね。…僕にもっと血飲んでもらいたいって表情…」

壊れ物を扱うかのように愛希君は、私の頬を撫でると、次は腕に指を移動させ、腕を舐める。

「…はぁ……はぁ…。…うっ……」

二度目の激痛に、目を強く瞑る。私の部屋には、血を飲む音と私の痛がる声。

「……本当に…、…その表情、…ゾクゾクするよ…っ……」

愛希君の狂った瞳で見られ、私は涙を流すことしか出来なかった。

「もっと…もっと泣いて?…僕に泣き顔を見せてよ…」

「ぃや…っ……、愛希くっ……」

「……ふふっ…、泣き顔…最高だよ…」

私の涙をペロリと舐めて、ニコニコと微笑む。

「……だ…れかっ……」

涙声で出来るだけ叫んだ。少しでも早く、誰かに助けてもらいたくて。

この痛みと快感が混ざった時間からにげたしたかった。

……助けて、誰か…。…痛い…、怖い…。……もう…限界…だよ…。

「…優がどれだけ叫んでも……。だーれも…、来ないよ?」

私の心の声が聞こえてるかのように、愛希君は私が涙を流してる私をみて、気持ちよさそうに笑う。

「…ふぇ……っく…」

……痛い…よっ…、藍さんっ……!!