「………どうでしたか…?」

「………………」


おじさんは信じられないという顔で、私の顔を見ていた。


「あ、あの………?」

私は不思議に思って首を傾げる。

「………………。あ、ごめ、ごめんね………」

おじさんは、分かりやすく動揺していた。


「あの、SSAって、なんですか?」

「………血の……、レベルと言った方が良いのかな?それとも、……貴重さ……」

「……貴重さ?」

「うん。……お嬢さんの血は、世界で三人しか、いないと言われてる幻の血だったんだ……」

「幻の血………?」

聞いたこと無いな……。……って……え?!私の血って、幻だったの?!

「あぁ……。で、一生のお願いが、あるんだけど………」


「一生のお願いですか………?」


おじさんは機械を黒スーツの人に渡して深刻な顔をして、私の事を見てきた。



「あぁ。………私の、息子達のお世話をしてもらいたい……」

おじさんは視線を少しの間そらして、またすぐに私と視線を合わせる。


「おせ、お世話?!」

お世話って…あの、……靴下はかせてあげたり。ご飯を部屋に運んだり…の?

私が不思議に思って首を傾げると、おじさんは話を続けていく。


「こんな年寄りになるとね…。息子達のお世話が、大変で……」


アハハ…と、おじさんが苦笑いをする。そして、ある紙を私に見せる。


「勿論。タダとは言わない。月、百万…、いや、一千万渡す」

おじさんは紙に一千万と、ボールペンで書いた。


「え、えぇぇええええ?!」


「ダメかい?なら、一億………」

「い、いいいいやややや!そ、そんなにいりません!!!」

私は、出来るだけ横に振れる所全体を振りまくる。


「え?………では、望みはいくらだい?」


「あ、ぁあぁああの!おばさんに、聞いて良いですか?!」

もう、私なんかが決められる問題じゃなくなってきた!!!!

「おばさん?……お嬢さんの保護者的存在かい?……なら、おじさんに言わせてもらいたいな」


「あ、あの……、電話おか、おかわりして良いですか?!」


「おかわり?」


おじさんが、首を傾げる。私は、また、自分の間違いに気付く。


「………まち、間違えました。……ぇっと、お電話、お借りしても良いですか?」


「あぁ。良いよ。すまんね。廊下にあるんだ。ついてきてくれ……」

おじさんは部屋の扉を開けて、私を部屋から出してくれた。


「はい!ありがとうございます!」


おじさんは長くて綺麗な廊下を歩く。私は、おじさんに、後ろからついていく。


おじさんについていくと、薄暗い廊下の端に一つの小さな黒い電話機がポツンと置いてあった。