「………………っん」

目をゆっくり開けると、昨日、藍さんと来た私の部屋らしい天井が目にはいった。

そして、ドレスからパジャマになっていた。

あー……、少し頭がガンガンする……。

「……………あれ?私………」

必死に、昨日の記憶を辿る。

えっと…、確か……。

一人暮らしをしようと、家に向かって…。

不審者扱いされて…、おじさんにあって…。

血とられて…、兄弟のお世話…。

「あーもー、考えるのが面倒だよー………」

髪の毛を、ぐしゃぐしゃとグチャグチャにした。

「………も、うるさいよ…、優………」

「…………………?!」

私の隣に、目を擦りながら文句を言う愛希君がいた。

私はビックリして、目をパチクリさせた。

「………おはよ…、優………」

「お、おは、おはよう…ございます……」

な、なななな何で同じベットで寝てるの?!

「ふぁあ………、優…体だるくない?」

愛希君は眠そうな顔で、私の顔をジーッと見る。

「……ちょっと、頭痛いくらい…です…」

「そっか……、お休み……」

「…え、…………えぇ?!」

私が叫ぶと。明らかに不機嫌な顔をして愛希君は、私のことを睨んだ。

「………………何?」

「こ、ここでまた寝るんですか?」

「……………ダメ?」

「……ぃ、いや。さすがに……。……お、おじさんに怒られちゃいますよ?」

「………別にいいもん………」

「で、でも…………」

「何?そんなに僕が隣にいると嫌なの?」

うぅ……、愛希君に睨まれると、なんか何も言えなくなる……。

「そ、そうじゃないですけど………」

「じゃあいいじゃん……」

「…………そ、そうですねー………」

私は、苦笑いを返してベットから出ようとすると…。愛希君に腕を思い切り引っ張られて、私はベットに逆戻りした。

私は愛希君の真横にいる感じになりました。

「うぎゃっ………」

へ、変な声が出てしまったのだ……。

「なに今の声……。ふふっ……」

愛希君は、体を小刻みに震わせて笑っていた。

「ぅ、ぅぅ………」

「優って本当に変人だよね」

愛希君は、涙を細い指で拭いながら言ってきた。

「ぅっ…………」

面と向かって言われたのは初めてかもしれない……。

「僕ね。優みたいに『バカ』で『アホ』で『変人』な女の子がこの世にいるなんて知らなかった」

愛希君は、頬杖をつきながら、無表情で呟いた。

「…………………」

なんか、凄い貶されているのは気のせいですか?……誰か、気のせいって言ってください……!!

「だからさ、優のお陰で学べたんだよね。……君みたいなバカな女は一生見張らないとダメってことをね」

「…………………」

すいません……、今、凄い泣きそうです。

「泣きそうな顔してるけどさ…、僕は間違ったことは一言も言ってないからね?」

愛希君に強めにツンッと、オデコを指でつつかれる。

「………は、はぃ………」

「………ねぇ、優。……熱はかったら?…オデコ、ちょっと熱かったよ?ちょっと体温計探すから待ってて……」

愛希君は、ベットから出て体温計を探し出した。

え……、一瞬触っただけで、そんなことが分かるんですか……?え……、愛希君相当凄いですよ……?


愛希君は、色んな棚の中を探していた。

「………あ、…あった……。はい、早く熱はかって……」

愛希君は、私に体温計を渡す。

「ぁ、はい。ありがとうございます……」

私は、体温計を挟んで少しの間無言で待っていた。