その着物を着た女幽霊は、 必死に走って俺の前に立ちふさがる。 「あの…えっと…その…」 回り込んだはいいが、何を話せばいいか 考えてなかったようだ。 俺は、癖で避けようとして気づいた。 見えない奴は、避けたりしない! それを、女幽霊は見逃さずに 「あっ!見えてるんですよね!?」 という。 あぁ…我ながら、ばかだ。 「邪魔。」 覚悟を決めて、口を開く。 「見えてるんですか!?」 「そんな驚くことか…?」